災害復興における男女共同参画センターの取り組み

 今日、二本松市にある財団法人「福島県男女共生センター」にて表題のシンポジウムが開催され、参加してきました。
 パネラーは、岩手県宮城県福島県のそれぞれ女性センターの長の方々でした。さらに、リレートークとして短時間ずつでしたが、横浜市新潟市大阪市名古屋市、福岡市からも男女参画センターの方々がそれぞれの取り組みについてご紹介くださいました。
 発表者が多かったのですが、概ね以下のような内容でした。
 女性たちがこのように立ち上がったきっかけは阪神・淡路大震災新潟県中越大震災の経験からです。
 災害時の救助や支援にあたる方々は男性がほとんどのため、体育館に避難した場合に女性が困惑している事態に気づきません。着替える場所、赤ちゃんに授乳させる時、下着の洗濯物の干場、生理用品がない、女性用下着がないなど。これらを要求しても男性管理者からは「こんな時に何を言っているのか」「わがままだ」「この非常時に」と、聞き入れてはもらえなかったということです。
 また、東日本大震災での男女差別として、男性が行う瓦礫の撤去作業は有給ですが、体育館で何百人もの毎日の3度の食事の準備をした女性達は全くの無給でした。
 このようなことから、女性の相談員の養成、復興委員会へ男女差別の撤廃を提言する人材の養成、女性の起業支援などの必要性が訴えられました。
 また、3.11の岩手、宮城、福島に共通する問題としては、被害が甚大なため仕事を求めて県外への流出が今も後を絶たないということです。5年後に県民の帰還は見込まれるのか。再生まで誰が守るのか。
 3.11から間もなく1年が経とうとしていますが、今なお深刻な状況が続いています。女性の力も求められます。