第2ドイツテレビ(ZDF)の放送内容について〜取材の実際について〜

 表題の動画サイトが問題ありで削除されましたが、再び配信されて人々に無益な不安を与えています。この件については、「二本松農園」の代表斉藤登氏が事実を調査して報告していますので、お知らせいたします。
問題のドイツの動画↓
http://www.tokyopressclub.com/2011/08/frontal21-zdfde.html?spref=tw
 この内容について、私(二本松農園 代表 齊藤登)は、取材時の状況について調査してまいりました。センセーショナルに報道するため、巧妙に編集されていることをまずご報告いたします。

(事実関係)
●市民放射能測定所は実際、福島市内に存在します。

http://www.crms-jpn.com/

 そこで今回の取材を受けたH氏に対して、動画の存在をお知らせしたところ、 H氏は「事実と違う」ということで、ZDFに対して次のとおり抗議メールを発しています。

①ユーチューブの配信動画を2度見ました。
②動画中7000Bqと出てきますが、これは既に出荷停止措置のとられている地域のシイタケのもので、動画の中では、出荷停止措置がとられていることを何もふれていない。
③市民放射能測定所のこれまでの分析で1000Bqを超えているのは、このシイタケとタケノコだけ。100を超えているのはブルーベリーなどごく一部。
④ほとんどの野菜は、20〜100Bqの範囲。検出限界以下(ND)の20Bq以下も少なからずありました。
(なお、取材時に持ち込まれた ネギとジャガイモの測定結果も、市民放射能測定所
のホームページでちゃんと公表されております。産地「本宮市」がそれです。)
http://www.crms-jpn.com/mrdatafoodloc/pref_7.html
⑤以上のようなことを動画の中では何も言わず、高いものだけを強調している。
⑥自分が映っている時に流れたテロップは自分が話したことではない。
⑦(このように事実と違うのであれば)対応せざるを得ない。
こんなだったら、すべてマスコミは立ち入り禁止!害ばっかり。

以上が抗議メールの内容です。
 8月31日の夜、このH氏とは会津の会議で一緒しましたので、このメールの内容で間違いないかどうか直接確認しました。
  
 福島県の主に農林水産物放射能検査を現在行っている福島県農業総合センターにもおじゃまし、ドイツのテレビ局の取材があったかどうか、センターは公の機関であるため、個人持込のものまでは対応することは困難・・との内容が正しいかどうか確認しましたが、H部長は「そのとおり」ということでした。
 福島県では、県内市町村の農林水産物をメッシュ状に、多様な種類を、頻繁に検査し、その結果をもって「安全宣言」や「出荷制限」等の統制を行っていますので、体制的にも個別の持込にはあえて対応しない(業務量が多いため対応もできない)、というのはある種当然のことかと思います。
 また、動画の中でネギ、ジャガイモの検査依頼をした本宮市在住の大沢さん(61才)については、専業農家ではなく、主に農業資材の販売をされている方というところまでは分かったのですが、ご本人に直接お会いすることはできませんでした。

 このように、今回のドイツ放送(動画)の内容は、一部事実と異なり、また、意図的な編集でセンセーショナルな内容にしていると理解せざるを得ません。
 また、動画をご覧いただく皆様も、「福島県野菜のほとんどが正式の検査で、NDか数十Bqの範囲にあるのに、いきなり7000Bqなどあり得ない」というような予備知識をお持ちいただきたいと思います。

以上ご報告します。

(二本松農園 代表 齊藤登)