あるじを失った教会

 かつて二本松教会の巡回教会であった飯野教会が2001年に二本松教会と合併し閉じられて、もう11年が経つのですね。創立は1957年12月1日と表看板に明記されていますね。44年間、この田舎町で厚い信仰が生きていました。司祭は最初から常駐せず、信徒の方が伝道館に住んで教会を守っていて下さいました。その方が御父の元へ召されてからは、司祭不足も手伝って次第に教会も衰退して、残った信者さんたちはドミニコ会の勧めで二本松教会へ移籍してこられました。
 飯野教会が閉じられて11年。その時から時間が止まったままの教会を、いつまでもそのままにしておく訳にもいきませんので、かつての飯野教会所属だった方と一緒に様子を見に行ってきました。
 あるじを失った教会の今日の姿です。

 朽ち果て文字も消えかけている表看板。塀も傷み、草木も手入れはされていません。
 正面です。左にある掲示板も今はもう告知するものはありません。
 教会の左側にあるルルドのマリア様です。このお花は造花ですが、時々近隣の方も信者さんではないにもかかわらず、お花を手向けお祈りに来てくださることもあるそうです。近隣の方も宗教は違えど、神様の家が朽ち果てていることが忍びなく思っておられるとのことでした。
 聖堂です。畳敷きです。かつてここで大勢の信者さんが熱心に祈りを捧げていました。ミサのあとは、教会守りをしておられた方がいつも食事をみなさんに振舞って下さっていたとのことです。

手入れがされることもなく、写真では分かりませんが、埃が積もりくもの巣がはっていました。

 
聖堂の窓ガラスも割れ、廃墟と化しています。

教会の後ろにある伝道館です。草も伸び放題です。悲しい姿になってしまいました。










 私たちにはここを整備する資金も人材もないのです。閑静な場所にありますし、広さもそれなりにありますので、黙想の家などにできたらいいのに、と私たちは勝手な夢を語っていますが、それもかなわぬまま、やはり売るしかないのでしょうね。しかし、売るとなれば建物を壊して更地にしなければならないでしょう。その資金はどこに...。いずれにしても、このまま放置しておくわけにもいきませんので、所有者である仙台教区に相談して対策を考えていただけなければなりません。