『小さい者とともに』ジャン・バニエ(4)

『ラルシュのこころ』 ―小さい者とともに、神に生かされる日々―
                                 ジャン・バニエ(Jean Vanier)
・貧しい者の友となることは、人の深みにまで触れることを要求されます。
・実際に生活すれば分かることですが、ゆるす力、争いの傷を乗り越える力は、とても大きいように思われます。
・私には自分自身の困難さや、貧しさを受け入れ、助けを求める必要がありました。
・私には自分自身の闇を恐れていることが分かってきました。これまで私は常に成功し、賞賛され、すべてに対して、答えを持っていなければなりませんでした。私は自分の貧しさを隠していました。他人を裁くのはたやすく、他人の欠点を見るのもたやすいことです。しかしながら、自分の欠点を受け入れるのは、とても難しいものです。自己正当化の素早さは驚くばかりで、自分自身の貧しさや罪を謙虚に受け入れる代わりに、他人を非難してしまいます。
 私自身の弱さを受け入れることができないのであれば、ラファエルとフィリップの貧しさや傷を迎え入れ、彼らに共感できると言えるのでしょうか。ハンディで苦しんでいる人と共に生き、彼らの友になることは、私たちを高台から引き降ろし、私たちに共通の人間性に気づかせてくれ、自分の愛する困難さを大切に抱くようにと導いてくれます。
 ハンディで苦しむ人の友となれるよう、祈りの内に、神の霊に助けられ、霊的指導者とか、定期的に話を聴いてもらう人の援助を受けながら、自分自身のあらゆる面において働かなければならないと感じました。私自身に錯覚を抱かずに、ありのままの自分を迎え入れることを学んでいきました。ゆるしとゆるされる必要のあることを理解していかなければなりませんでした。少しずつ、貧しい人が私自身の弱さを迎え入れてくれ、助けてくれました。より人間的になり、より豊かな内的統一を見いだすよう助けてくれたのです。
・この世界では愛と優しさが成功や権力より優位になるのです。