訪問者

 今日はミサの予定でしたが、リゲンザ神父様はインフルエンザに罹患してしまい、集会祭儀となりました。参加者、女性10名、男性2名。
 二本松教会は少人数ため、教会の出入りも目立たず、外から見る限り、この教会が活動しているようには見えません。そこで、通行人の見える場所に看板(よくレストランなどで店の前に本日のメニューを書いた看板が置かれているでしょう、あれです。)を出すようにしました。それには「1月23日、集会祭儀15:00〜 どなたでもお気軽においでください。」と書いています。
 そうしたところ、集会祭儀の途中、男性の訪問者が入ってきました。初めての方なので、橋本さんが隣りに座ってお世話をして下さり、最後まで静かに参加していました。
 集会祭儀が終わると、その方は「お金を下さい。」と言い始めました。とりあえず暖かいコーヒーをすすめて、いろいろとお話を伺うと現在45歳で10年来仕事はしておらずホームレス状態だと言います。だからお金がほしい、と繰り返します。見た所働けそうなりっぱな体格をしています。仕事はしないんですか、と聞くと「仕事はしない、父親からオレは毎日1,300円しかもらっていない、だからお酒やタバコを買うお金が足りない。だからお金がほしい。」とあっけらかんと言います。私たちもお酒を飲むためにお金はあげられません、ときっぱり断り、お菓子を袋に入れて持たせて仕事をするようにと言って帰って頂きました。他では邪険に扱われることも多々あったらしく、その方はコーヒーを振舞ってくれたお礼を言って素直に帰っていきました。
 この方は他にも教会やお寺などを回ってお金をくれそうなところを巡り歩いているとのことでしたが、うまくお金がもらえることもあるようで、そのことに味をしめ、こうして酒代を入手できるところを探し歩いているようです。ホームレスと言っていましたが、父親と暮らしているのですから、そうではないようです。嘘をつくでもなく、悪びれもせずに酒代がほしいという正直さがちょっと可笑しく感じてしまいました。
 女性の高齢者ばかりの二本松教会では、このような方は怖いと感じてしまします。幸い、話の通じる方でしたので、今回は事なきを得ましたが、このような方であっても神様が導いてこられた方だと思えばせめて暖かいお茶ぐらい振舞ってあげたいとは思います。この方にとっての幸せはお酒やタバコの飲むことだと言います。まじめに働いている背景があるならそれは楽しみとして許されることですが、働く気がない人の場合、それは非難の対象になってしまうのは致しかたありませんよね。この方の回心を祈りました。