比叡山延暦寺巡礼(私的エキュメニズム)

 日本の仏教の発祥の霊地、比叡山延暦寺の巡礼をしてきました。
場所:京都と滋賀の境
宗派:天台宗
宗祖:伝教大師最澄(767−822)
延暦寺というのは比叡山に点在する150ほどの堂塔の総称であって、その名を冠した建造物がある訳ではありません。山内は三つに区分され、東が「東塔(とうどう)」、西が「西塔(さいとう)」、北が「横川(よかわ)」の三塔から成り、それぞれに本堂があります。
比叡山で修行して他の宗派を開いた(破戒?)僧も多く輩出しています。
良忍融通念仏宗)、法然(浄土宗)、浄土真宗親鸞)、一遍(時宗)、栄西臨済宗)、道元曹洞宗)、日蓮日蓮各宗)、真盛(天台真盛宗)など。
 横川
「横川中堂」横川の本堂です。舞台造りになっています。お堂の中心部には慈覚大師作と伝えられる聖観音菩薩が祀られています。
残念ながらお寺の中はいずれも写真撮影禁止です。
 横川
「四季講堂(元三代師堂)」村上天皇の勅令により四季に法華経の講義を行なった場です。比叡山中興の祖と負われる慈恵大師良源(元三代師)の住居跡と言われています。
 東塔
阿弥陀堂」本尊、阿弥陀如来像を祀り、回向(えこう:死者の成仏を祈る)法要が毎日行なわれています。
 東塔
「法華総寺院東塔」阿弥陀堂の隣りにあります。最澄が「法華経」千部を安置する塔として全国6箇所の聖地に建立した宝塔を総括する塔です。上層部には仏舎利法華経1000部を安置、下層部には胎蔵界大日如来像が祀られています。
 東塔
「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」比叡山第一の仏堂で、伝教大師が一乗止観院として創建したもの。伝教大師自ら刻んだと言われる秘仏薬師如来が祀られ、宝前には開創以来の「不滅の法灯」が1200年の時を超えて輝き続けています。実は、織田信長の焼き討ちにより、根本中堂が焼失した時に、不滅の法灯も消えてしまいました。しかし、山形の立石寺(りっしゃくじ)に 分灯されていた「法灯」があり、この灯を持ち返り「不滅」を継続させることができました。「油断するな」という言葉は(油を絶やして灯を消すな=注意を絶やすな)不滅の法灯に由来しています。
 「比叡山宗教サミット」は、全日本仏教会神社本庁日本キリスト教連合会など5団体でつくる「日本宗教代表者会議」が主催し、第1回は15か国約500人が参加しました。2007年の20周年では、仏教やキリスト教イスラム教など世界の宗教指導者らが平和を祈願するため、海外18か国を含む約2000人が「和解と協力 宗教・民族・国境を越えて」をテーマに話し合いました。
 『山家学生式(さんげがくしょうしき)』
伝教大師が菩薩僧養成のために、その理念を書いたもの。これはその冒頭の有名な文。
「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝と為す。故に古人の言く、径寸十枚これ国宝に非ず。一隅を照らすこれ則ち国宝なりと。」
(金銀財宝をたくさん持っている人が国の宝なのではない。一人一人が自分の置かれた場でベストを尽くし、世のため人のためになる、そういうことのできる人が国の宝である、というほどの意味です。)