インド旅行報告4「ザビエル新司祭のこと」

【ザビエル新司祭と私との出会い】
 私とザビエル新司祭との関わりは、今から約10年近く前でした。私は「NPO法人アジア教育支援の会」の会員となりましたが、この会はインド、バングラディッシュ、ネパールの地域で現地のイエズス会とタイアップして教育支援をしていました。私は神学生の支援を希望し、そして紹介されたのが、Xavier Alangaramでした。
【ザビエル新司祭の一族と人となり】
 ザビエル師の出身地は昨日紹介しましたように小さな村ですが、驚くことに、この村から彼で7人目の司祭が誕生しているのです。この村には、彼の一族が住んでおり、隣近所はほとんど親戚です。そして、7人の司祭というのは皆彼の一族から生まれているのです。今回、私のお世話をして下さったおじさんのルイス神父様(元イエズス会士、現教区司祭)は1984年に上智大学に講演のために来日されています。7人の内すでに2人は帰天していますが、おじさん2人と従兄弟2人が司祭、おばさんはシスターという家系です。彼の小学生の甥御さんもすでに司祭になりたいと表明しています。
 彼はおじさんのルイス神父様によく仕え、"Xavier,"と名前を呼ばれるとすぐに"Yes, Father,(はい、神父様)"と極めて礼儀正しく返事をしてみ前に進み出る姿には心打たれるものがありました。会話のやり取りを聞いていても、実に聖なる一家であることを感じさせます。もう一人のおじさん神父様とは彼の家と隣り同士で小さい時から影響を受け、自分の霊的な父親だと言っていました。彼の長上は当然イエズス会ダージリン管区の管区長様ですが、管区長様も初ミサの練習は自分よりもおじさんのルイス神父様に習う方がいいでしょう、と笑ってらっしゃいました。そして、実際、初ミサは月曜日(11日)ですが、前日の日曜日には、ルイス神父様とザビエル新司祭と私とシスターの4人で女子修道院の小聖堂をお借りして主日のミサを行い、その後に二人で明日の最終確認の練習を始め、私はそのお二人の姿を目の前の特等席で見ておりました。実に感動的でした。
【おじルイス神父様の高邁なご配慮】
 ルイス神父様はザビエル師をよく指導して、私に対する感謝を忘れないように促すのには、私はただただ恐縮してしまいました。この4人で行なったミサは後でよく考えると私のためにして下さったのではないかと思えるようなミサで、お説教の中でルイス神父様とザビエル新司祭の両者から私に対して身に余るほどのお言葉と祝福を頂きました。私は耐えられないほどの恵みを感じて、身の処し方に困るほどでした。終わってチャイを頂きながら、ルイス神父様は私を「あなたは実に祝福された方だ」とおっしゃるのですが、実に私もそのように思いながらも、あまりの恵みに自分が自分ではないような気がしてなりませんでした。
【ザビエル新司祭の所属】
 彼はタミルナドゥ州の出身なのに、何故ダージリン管区に所属しているのかと伺ったところ、彼は最初からイエズス会に入りたいと思っていたところ、たまたま出会った人がダージリン管区には人が少ないので来てほしいということで、そこに所属することになったのだそうです。インドのカトリックの人口は日本と同様に、最初に聖フランシスコ・ザビエルが布教した地域がゴアですので、南に集中しています。