『信徒について』教会憲章

 昨日の柏原さんのコメントを受けて、第二バチカン公会議で決まった公文書では「信徒について」どのように言われているかを改めて確認しておきたいと思います。

 『教会憲章』 第4章 信徒について
31(信徒の定義)
ここで言われている信徒とは、聖なる叙階を受けた者ならびに教会の中に認可された修道身分に属する者以外の、すべてのキリスト信者のことである。すなわち、洗礼によってキリストに合体され、神の民に加えられ、自分たちの様式においてキリストの司祭職・預言職・王職に参与する者となり、教会と世界の中で自分の本分に応じてキリストを信じる民全体の使命を果たすキリスト者のことである。

 信徒に固有の特質は世俗的特性である。...信徒に固有の召命は、現世的な働きに従事し、それらを神に従って秩序づけながら神の国を追及することである。信徒は世俗の中に生きている。すなわち、世間のそれぞれのあらゆる務めと仕事に携わり、家庭と社会の一般的生活条件の中で生活するのであって、かれらの生活はいわばそれらによって織りなされている。かれらはそこに神から招かれたのであり、自分の務めを果たしながら、福音の精神に導かれて、世の聖化のために、あたかもパン種のように内部から働きかけ、こうして信仰・希望・愛の輝きをもって、特に自分の生活のあかしを通して、キリストを他の人々に現すよう召されている。したがって、かれらが密接に結ばれているすべての現世的な働きが、絶えずキリストに従って行われ、発展し、創造主とあがない主の賛美になるように、それらすべてのに光をあて方向づけることは、特にかれらに託された使命である。

34(信徒の共通司祭職)最高永遠の司祭キリスト・イエズスは、自分のあかしと奉仕を信徒を通しても継続することを望んで、自分の霊によってかれらに生命を与え、よいことを完全なことのすべての実行へ絶えずかれらを押し進めている。
 キリストは自分の生命と使命に密接に結ばれた人々が、神の賛美と人々の救いのために霊的礼拝を行うように、かれらに自分の司祭職の一部をも与えた。...信徒もまた、いずこにおいても聖なる行いをもって神に礼拝をささげる者として、世そのものを神に奉献するのである。

35(信徒の預言職)生活のあかしと、ことばの力とをもって、父の国を布告した偉大な預言者キリストは、栄光を完全に表わす時が来るまで、自分の名と権能によって教える聖職位階だけでなく、信徒を通しても、自分の預言職を果たすのである。このためにキリストは信徒を証人に定め、信仰の感覚とことばの恩恵を受けて、福音の力が家庭と社会の日常生活の中に輝きわたるようにした。
 ...信徒のすべてが、世にキリストの国を広め発展させるために協力しなければならない。このために信徒は啓示された真理をより深く理解するように熱心に努力し、英知のたまものを絶えず神に祈りもとめなければならない。

36(王としての職務に参与する信徒)キリストは死に至るまで従う者となり、そしてこのために父から称揚されて、神の国の栄光にはいった。神がすべてにおいてすべてとなるために、キリストが自身と全被造物とを父に従わせるに至るまで、すべてのものはキリストに従わせられる。...人々の中においてもキリストに奉仕する謙虚と忍耐によって、王のもとへ自分の兄弟を導くためである。この王に仕えることは支配することである。
 ...信者は、...世俗的活動によって互いにより聖なる生活へ向かって助け合わなければならない。それは世がキリストの精神によって染められ、正義と愛と平和のうちに、より効果的にその目的に達するようになるためである。その務めを全般的に果たすうえで信徒は主要な地位を占めている。
 ...信徒は、世に中に人を罪に押しやるような制度や生活条件があればこれを改善して、これらのすべてが正義の法則に基づくものとなり、また諸徳の実践の妨げよりもむしろ助けとなるように努力しなければならない。