『行って、あなたも同じように』

 今日は女性8名で集会祭儀。福音朗読箇所は、良く知られた「善きサマリア人のたとえ話」だ。律法の専門家がイエス様に質問する。「永遠の命を受け継ぐには?」「わたしの隣人とは?」と。律法の専門家はイエスを試すための質問なので、答えは自分で知っている「つもり」だった。案の定、先の質問には正しい答えをしてイエスに「正しい答え」だと言われる。だが、後の質問に対して出した答え「隣人とは、その人を助けた人です」に対して、イエスは「正しい」とは言わず『行って、あなたも同じようにしなさい。』と命ずる。隣人とは、頭の中だけで考えていることに価値はなく、その人と関わるために行動を起こして初めて隣人となるのだということをイエスは示す。イエスを試そうとした律法の専門家にとってこの言葉は驚きだったのではないだろうか。知識で勝負しようとしたが、生き方を問われてしまったのだ。
 この『行って、あなたも同じようにしなさい。』という聖書の言葉をその通りに実践したのが、まさしくマザー・テレサだろう。マザーの言葉に、
「昨日は過ぎ去りました。明日はまだ来ていません。わたしたちにあるのは今日だけです。さあ、始めましょう。」
というのがある。思っているだけで行動しないのは世の常である。愛は行動することによって完成する。愛する愛は、他者がそれを喜んで受け取ることによって初めて成就する。心に愛を抱いていても、行動を起こさなければその愛は路頭に迷っているようなものだ。隣人とはどういう人のことをいうのかが分かったなら『あなたも同じようにしなさい。』とイエスは私たちに迫る...。

 昨日、匿名でマザー・テレサ写真展のため、または貧しい人のために使って下さいと、高額の献金が教会に送られてきた。添えられた手紙から、この方は余った中からではなく、犠牲をして献金をして下さったのだ。神様の前に研ぎ澄まされた祈りをして出た行いであることが伺える。捧げたのはお金ではなく、働きだ。この方の信仰を大切に慎重に使い道を検討したい。この方も『同じように』行動を起こした一人だ。