復活祭(2)―アメリカ人来訪

 復活祭のお祝いも終わり、みんなが帰路についた後、病人の所へご聖体を運んで下さった聖体奉仕者が戻って来ました。残っていた私と彼女とでお茶を飲みながら、この復活祭で頂いた恵みや自分の信仰のことなどについて、普段は忙しくて話せなかった積もる話に花を咲かせていました。お互いに何故か帰りたくないという気持ちで、このような話ができることを嬉しく思いながら、ずるずると居続けていました。もう4時になるのでそろそろ帰ろうかと思っていた矢先、何やら英語の話し声と共に、数人が教会に入って来たのです。どこかで二本松教会では午後4時(現在は3時に変更しています)からミサがあると聞いてやって来たとのことでした。アメリカ人の旅行者で5人のご家族でした。私が残念ながら、今日は復活祭なので、特別な日程でミサは午前9時半からだったことを伝えると、とても残念がって、ではご聖体拝領をしたいのですが、あなたはそれができますかと言うではありませんか。私はまさに主任司祭から聖体を配る奉仕者としての任命を受けていましたので、はい、できますと答えて、直ちに準備に取り掛かり、アメリカ人の方々もひざまづいて祈り始めました。私は「略式聖体拝領」で行うことにしましたが、残念ながら英語版がないので、日本語でさせて頂くことにし、主の祈りだけは英語で唱え、ご聖体拝領を終えました。その間、私は何とも不思議な気持ちでおりました。こんな小さな教会にはるばるとアメリカ人の旅行者が尋ねて来て下さったこと、その時間まで私たちが残っていたこと、私が聖体奉仕者であったこと、この巡り合わせは主以外に誰がなさりようがあっただろうか、と感慨無量でした。5人のアメリカ人たちは聖体拝領ができたことで口々に私に感謝の言葉を下さいましたが、私にとっては、さびれ行く東北のこんな田舎の小さな教会に主が心を留め、アメリカ人を送って下さったことに私はただただ胸を熱くしていました。私の方こそ嬉しくて何度も感謝の言葉を伝えて別れました。写真を沢山撮って下さいましたが、私はカメラを持っていなかったことが悔やまれました。車で旅行している彼らはこれから東京へ向かうとのことでした。彼らの上に主の恵みが一層ありますように!神に感謝!