仮設で「写経」第2回

 二本松市にある浪江町住民がお住まいの仮設住宅で「写経」を始めました。仮設はご高齢の方が多く、イベントというと炊き出しとかお茶っこサロンとかカラオケ、また手芸などが多いように思いますが、心の平安のために「写経」はどうかと提案してみたところ、思ったより参加者がおられ順調な滑り出しとなりました。今回で2回目となります。
 二本松市天台宗「鏡石寺」のご住職にご指導をお願いしたところ、ご快諾をいただきました。
 実は浪江町社協にこのプログラムで申請したところ宗教と政治はダメ、ということであまりいい顔はされなかったのですが、仮設の自治会長さんがOKを出してくださったお陰で実現する運びとなりました。何も特定の宗教を押し付ける訳ではありませんし、「般若心経」は宗派を超えて仏教共通のものですから、仮設の方々も何の抵抗もなく、参加されています。
 書き上がった般若心経は通常お寺に納めますが、ご住職は皆さんご自分のお寺に納めてください、とご配慮くださいました。

天台宗「鏡石寺」のご住職川名栄顕様が「般若心経」の内容について説明をしてくださっています。

昔なつかしい寺子屋での学習のよう...

まずは、意味が分からなくてもいいですから、ご一緒に読んでみましょう、とふりがながふられた般若心経をとつとつと、でも声を合わせて読んでいます。

次にいよいよ「写経」です。文字通り、お手本のお経を下にして半紙を上に置いて写しています。



沈黙。静寂の時間が流れます...でも、皆の心は一つ...
ご住職様も「ゆっくり自分のペースで書いてください。間違えてもいいんです」と困難を取り除いてくださいます。



皆、真剣そのものです。

学習系のイベントというのはあまり仮設ではありませんし、どうかな、と思っていたのですが、意外に皆さん楽しんで下さっているようです。

 終わってご住職が帰られた後、ある方が「あのお坊さん、ハンサムだねぇ」と...お坊さんって、ハンサムじゃないイメージですか???そういえば、シスターも美人だと意外に思われますよね。宗教に生きる人は何もこの世で生きることに失敗した世捨て人ではありませんが...
 写経は皆さんの様子を見ながら次回も開催するかどうかを決めていますが、今のところ、第3回目も予定しています。