命の行進

 昨年に引き続き、今年もまた日蓮宗日本山妙法寺の方々が「脱原発」を訴えるために日本国内の原発所有県を祈りながら歩いておられます。訪問地の市役所で市長に面会し直接、脱原発をお願いしておられます。
 南無妙法蓮華経
藤井日達聖人は次の様に云われました。
「我が身に直に衆生(民衆)の苦しみを感じて、何とか此の苦しみを逃れる道を考える。けれども権力、軍隊、経済力を持っておる悪魔の真中に、私等一人立って見たって、どうする事も出来ない。唯一つ出来る事は、お祈りする事であります。どんな悪魔の横行する中にも、仏様の救いの正しい道を伝えて行く。南無妙法蓮華経と唱える一つの事だけは、権力にも経済力にも、あらゆる妨害にも屈せずに、我が命の有る限りは、祈り祈って、唱え唱えて行けるのであります。
簡単に歌を唱うのと違って、奥底に「日蓮は泣かねど涙ひまなし」(自分の事で泣くのではなく、民衆の苦しみを見て涙が流れるという事)と云う涙が声になって現れて来る時、南無妙法蓮華経となる。我が身が、此の世の中の苦しみの人々を見出して、其処に救いの道を見出して行かねばならないと云う自覚に立ちました時、始めて苦しみの海において、何処でもお祈りの言葉が唱え続けられて行きます。」
今、私達はこの藤井聖人のお言葉を受け、苦しみの渦の中に居る人々と共に苦楽を分かち合うことにしました。そして共に苦しみの根本を探り、その根を取り除き、皆が敬い合い、睦び合う世界を作って行く為に動き出さなくてはと云う思いに至りました。
その実践作業としてまずは、「人類絶滅の恐怖」の象徴である日本全国に広がる原発全て廃炉解体。そして平和憲法第9条を護持し戦争に繋がる道を閉鎖。そして地中深く埋もれてしまった日本人の慈悲深き崇高な精神性の発掘。これこそ早急に私達に課せらせている責務であります。更には人々が各々の心を修め、自然に畏敬の念を抱いて慎ましやかに生きていく事こそ、後世に残すべく最大の遺産だと認識しております。
今、私達は、未来の子ども達の為に、歩き始めることにしました。たとえ微力であろうとも共に苦労を分かち合い、今日もまた、明日もまた、およそ人々が求める処、何処まででも祈り歩いてまいります。

 「この行進は、主義主張、宗教宗派、人種の壁を越えた、命こそ最も尊いものと信じる者たちが集まり、全国の原発を巡り、各地域から地域へ、各それぞれの地元の方々がその地域を祈り歩き、そして次の地域の方々に祈りの行進を託し、全国を数珠つなぎに紡いでいくというものであります。その機動力として日本山妙法寺のお太鼓とお題目が先導します。たとえ一日一時間でもかまいません。どうか未来の子供たちのために共に祈り歩いてください。間接的な参加(たとえば宿、食事、交通等、伴走車の運転、事務的なお仕事のお世話)でも構いません。皆さんの力が必要です。皆で作り上げていく行進です。
皆の祈りの力が一つになった時、日本が変わり、そして
世界が変わると信じております
。」

 【行進のスケデュール】
3月に静岡県を出発して太平洋側を北上し、北海道からはフェリーで新潟県にわたり、そこから日本海側を九州まで南下し、四国から広島の原爆ドームに8/6に到着、というスケデュールです。
 

「命の行進」は各市役所を訪問し、市長に「脱原発」の嘆願書を読み上げ提出しています。二本松市役所では市長の代理として生活環境課の丹野さんが対応してくださいました。






今回はネパールの上座部仏教の方も同行されました。









夕方5時、二本松市役所から、今日の宿となるカトリック二本松教会に到着されました。








教会に到着されるとすぐに、お聖堂に入り礼拝されました。








僧侶の方々の祈りの姿を見ていると、宗教の違いを問題にするのは人間の狭さであって、み旨にかなった祈りは神様に届きますから、宗教の姿の違いにこだわることはないことを知らされます。








みなさん、郡山市から約25kmを歩いて来られたので、まずは岳温泉にお連れして温泉で疲れをとっていただきました。
その後、二本松教会の信者さんからの心を込めた夕食がふるまわれました。



メニューはご飯、野菜たっぷりのけんちん汁、煮物2種類、漬物3種類、デザートにみかん。御一行様は全て残さず召し上がって下さいました。
教会の方が「お肉は召し上がらないんですよね?」と伺うと、「出されたものは何でも頂きます」とのことでした。ご自分たちがお料理する時はお肉は使わないとしても、自分たちのために人様が準備してくださったものは有難く残さず頂くとのことでした。





翌朝、マリア様の前で記念撮影をして、出発!福島市へ向かいます。約25km。





二本松市街を太鼓をたたきお題目を唱え、行進していきます。
このお題目を唱える声というのが、腹の底から力強く発せられ、私の耳から入って体の芯にまで響き、全身が揺さぶられる思いがします。





途中、二本松市内にある天台宗の鏡石寺に立ち寄りました。川名住職(右端)から「満願されますように」とのお言葉を頂きました。







ただひたすらお題目を唱え、歩き続けます、脱原発の祈りを込めて、人々の平和を祈り...










祈りに自分を捧げた生き方があることを私たちに示して下さっています。お金よりも、名誉よりも、権力よりも、快楽よりも大切なものがある...









御一行様がお礼の言葉をこのように素敵な形で残してくださいました。
私たちこそ、皆様との出会いを感謝しております!