野菜支援の苦労

 南相馬仮設住宅に野菜支援ということで、皆様から頂いたご寄付で野菜を一軒一軒に配布していますが、ある時このようなことがあったと、ご報告がありました。
「実は、私の心が折れかかることがありました。
前回の仮設でのできごとです。(10月24日)
わたしは、仕事で、前回は参加できませんでした。一緒にいたわけではないのですが、参加したこちらのシスターからきいたことです。
ある仮設住人からえらく叱られたとのこと。
「あんたらは、おめえらは、東京からきた、東京から来たって、言ってまわっているけど、ほんとに、被災者の気持ちがわかって野菜を配っているのか!」だって。東京とは、配る人が(東京カトリックボランテアセンター)と触れ回ったようですから。
そして、「うるさい!今、何時だとおもってんだ!」とのこと。確かに、大声で、仮設住宅の端から端まで聞こえる声で、玄関を開けて配っていたようなので、きっと、仕事柄昼寝でもしていたのでしょうか、頭にきたのでしょうね。それに、こちらの誰かが「大きな声を出さないと、中まで聞こえないでしょ」と口答えしたことから、外でけんかになったようです。すぐに、「ごめんなさい。すみません。気をつけます」とか、謝ればよかったのになあ。と思いましたが、自分はいなくて、あとで聞いた話ですから仕方がありません。
今後配り方をよく打ち合わせをして、とりかかります。支援物資の意味を書いたプリントも用意したのだし、涼しくなって野菜を玄関先に置きっぱなしにしても、傷みはないので、玄関先に住人が出てくるのが遅くても、二重玄関なのだから、そっと置けばいいのですよね。足が痛くて玄関に出れない人もいるし、夜勤明けで寝ている人もいるし、気配が感じられれば、無理して手渡ししなくてもとか、いろいろ反省しました。
今後、仮設への動き(引っ越し)もあるようですので、気をつけなくちゃなあ・・・と反省しきりです。
配る方に「配ってやっているんだぞ」とのおごりがなかったかなあとかも反省しています。
住人とけんかした人は、しばらく、その仮設と距離をおきたいなどと申しておりますがそれは、今後の話し合いです。
では、また 高野」

その後です。
「今日は、野菜をありがとうございました。
例の仮設にうまく配りました。ここは、前回配り方に(?)ちょっとトラブルがあったところで、どきどきしましたが、絆さんの仁木さんと、自治会長の大谷さんが待ち受けていてくれ、一緒に野菜を配ってくれました。
そして、前回その後のことを話してくれました。「野菜配布の仕方が悪いと怒り狂った住民の奥さんが、後で、会長さんに謝りにきたとのこと。怒った人は、脳梗塞を起こして、治療中だったとか。ごめんなさい。」「これから、何年も仮設でくらさなくてはならない。どうぞ、支援を辞めないでください。ここは、支援が少ないのです。申しわけなかったです。」とのことでした。
そうだったのかーとほっとしました。前回怒られた人も、ほっと安心したようです。
野菜配布後の談話室でのおにぎりはおいしかったです。それぞれの仮設へ4回は配り歩いたので、定着しつつあります。みんなとても喜んでいます。
これは、まず、野菜の量がちょうどいいことです。食べきりサイズで何日も余さない。また、仮設にとっては月に1回だけれども、継続されていること。1軒1軒顔をみて渡していること。新鮮であること等が功を奏していると思われます。
今日は、関係者とも十分触れ合えてよかったです。足の悪い人にも「どうですか?」と声をかけることができました。
二本松のやさい畑様、ありがとうございます。  原町  高野」