横須賀大津教会の方々の訪問

 神奈川県の横須賀大津教会の方が8名、2台の車に分乗して「福島やさい畑」の関わっている農家さんの訪問においでくださいました。目的は、今後支援していくに当たって、農家さんの苦労や放射能対策がどのようになされているか等をご自分の目で確認して、教会の皆さんに伝えるためということです。

 まず、私たちの畑にご案内しました。スタッフの一人が農家で、彼の畑を借りて、またさらに近隣の後継者がいないために耕作放棄地になっている畑も借り受け、野菜を育てています。
 みなさんは、ズッキーニがなっているのを初めて見たわ!と感激していました。「きゃっ!カエルがいたぁ!」と逃げる方も。農薬を使っていないので、カエルもいるわ、雑草の育ち方も勢いがあって速いわ...。


 次にアスパラガスを作っている農家さんを訪問しました。福島県の中通地方の農家はお米がメインで、その他に野菜も作っています。農業の後継者不足が叫ばれていますが、彼は27歳!頼もしい後継者です。アスパラガスは植えつけた翌年は収穫を見送り2年目から収穫していきますが、その2年目に原発事故で売ることができなくなってしまいました。今年になって、首都圏の皆様に買って頂いています。

 十分に栄養を保持させるためにこのように茎を伸ばします。このふさふさして見えるのは、実は茎で葉ではありません。ですが葉のようにみるので擬葉と呼ばれます。

 にょきにょきと出てきました。一日のうちにアッという間に成長するんですよね、アスパラって。この側面の三角形をしたのが葉です。


 アスパラはきゃしゃなので、雨風を避けるようこのハウスで作っています。
 大震災で、このあたりの道路はボコボコになり、がけ崩れもあり、今もまだ道路の修復工事が行われています。周辺がやっときれいになったところです。何事もなかったように稲が育っています。

 次に米農家さんを訪問しました。放射能測定は自社でも簡易測定器を備えていますが、さらに公的機関でも測定し、2重に測定して安全確認しています。ここは本宮市ですが、幸いに放射能の影響はあまりなく、土壌も大丈夫でした。しかし、テレビ等の報道で近隣のお米に放射能が基準を超えたと報道されれば、そうでないところの農産物も全てが売れなくなります。


 後藤さん(手前)から説明を受けています。米の作付け面積は23町歩で、耕作放棄地を借り受けて作っていますので、これだけの広さになりました。後藤さんのお米は数年前に「新嘗祭」で「皇室献上米」に選ばれています。それが今では風評被害で売れなくなって...

 女性方はお買いものに余念がありません。お米はもちろん、お米から作った加工品、お酒、米粉クッキー、米粉、三五八などなど...

 お米の他にハウスできゅうりも作っています。


 最後に桃農家さんを訪問しました。こちらも若者が頑張っています。
放射能については、事故の直後はその量が知らされなかったので何も知らずに子供を外で遊ばせていました、とのことでした。その後、桃は高圧洗浄して除染しました。その甲斐あってか、今年は放射能検査の結果「不検出」でした、と安堵しておられました。

 桃が木になっているのを初めて見たわ!と感激しておられる方もありました。自分で木からおいしそうな桃をとって食べました!まだ硬いのに甘い!と驚かれていました。
 福島の桃はちょっと硬いのが特徴です。柔らかいのがお好きな方は数日おいてからお召し上がりください。

 最後に全員で記念撮影。皆様、朝早くに神奈川県を出発され、到着してからも一日農家さんを移動し続けて、とてもお疲れになったと思います。でも、どなたも疲れた顔一つなさらずに、懸命に関心を示してくださり、ありがとうございました。