福島の農家の苦しい現状


 昨日、福島県伊達市の桃農家の家族が「二本松農園」に来られました。お父さん、お母さん、そして小学生の無邪気な子供3人。3人の子供さんの首からは「放射能線量計」が下げられていました。1カ月積算で子供達の線量を測定しているのです。桃農家のこのご家庭では、例によって風評被害で、桃の注文が激減しており、これから桃の主力品種である「あかつき」の季節になるというのに、出荷先がないのです。例年なら1000箱は売れていたのです。しかし、今、例年よりもおいしくできた豊作の桃をどうしたら良いのか途方にくれて相談に来られたのです。
 二本松農園の代表斉藤登さんは、さっそく販売を引き受け、ネットに載せ、そして先日契約した東電からの購入網に組み入れました。これでこの桃農家さんはどれほど安堵したことでしょう。最後に斉藤登さんはこう伝えました。「直接お客さんがついたらそのまま販売していいですよ。私を利用して販売できるようになったらそれでいいのです。私は商社ではありませんから、これをきっかけにして自立してください。」と。

 また、県南にあるしいたけ農家さんも苦境に立たされていました。風評被害で、県外に輸送されないことから、県内のスーパーにおろしていましたが、だぶつき気味で、しいたけ(パック100g)がなんと15円で引き取られ、手間代を考えると完全に赤字ですが、今日になり、「引き取りもできない」とスーパーから連絡があったそうです。これはBC品の不揃いのものですが、これが1日20kgぐらい出てくるそうです。「助けてください!」という叫びに斉藤登さんは何とか売ってあげようと助けの手を差し伸べました。二本松農園のネット販売「里山ガーデンファームWEBショップ」に載せましたので、皆様ご協力お願いします。このしいたけは施設内(ハウス)で栽培されたもので放射能は検出されていません。
 さらにまた、県南の野菜農家さんは観光客の激減により、「道の駅」を訪れる人がめっきり減り、そこに出していた農家さんは途方にくれているとのことです。

 学校給食用に玉ねぎを栽培していた農家さんは、学校で玉ねぎを使ってくれなくなり、在庫を山のように抱え込んでいます。そのうちのごく一部でしかありませんが、200kgの玉ねぎを宮城県内で被災者のために調理等をしているボランティア団体に被災地支援という形で届けてきました。それでもまだまだ在庫をかかえています。









 『二本松農園」はこうした苦しむ農家の方々のため、販売ルート探しに奔走しています。

(秘話:齋藤登さんはこの3か月間に30回も東京に野菜を売りに行きました。時々「なんでオレは野菜売りなんかしてるのかなぁ...。」とつぶやきます。モーセのように苦しむ民を救うために神様から選ばれたとしか言いようがありません。斉藤さんは震災以来、一日の休みもなく、また睡眠時間すら十分にとることもままならぬほど農家さんのために働きづめです。食事の時間はわずか5分です。倒れないかと心配です。)

 今週もまた東京にワゴン車で野菜を販売に伺います。ご協力を宜しくお願いします。ルートは「吉祥寺教会(07:20-08:30)→聖ウルスラ修道院(9:00-10:00)→調布コングレガシオン・ノートルダム修道院(11:00-12:00)→港区高齢者施設(15:00-17:00)」です。
どうか皆様の温かいご支援をお願い致します。本当に農家さんは苦しいのです。
福島野菜のネット購入:「里山ガーデンファームWEBショップ」http://www.nihonmatsu-farm.com/