震災の俳句を一句

 6月26日付の「カトリック新聞」を読んでいたら、ふと「俳句」欄が目にとまった。何と、我が教会の田中七子さんの句が◎付きで筆頭に掲載されているではないか。田中さんはずっと俳句をたしなまれ、句会の雑誌でもよく紹介されている。私は俳句は全くの素人だが、興味は持っている。
 その掲載された句を紹介しよう。
蛇穴を出でて知りたる計測値
 芸術作品というものは、ひとたび作品が紹介されたなら、もやは作者はその作品について「説明」すべきではなく、鑑賞者が自由に解釈して味わうもの、というのが私の持論である。だから、あえて田中さんにはその句の説明は伺っていない。以下は私の勝手な味わいである。
 地上での出来事を全く知らずに冬眠していた蛇が、春になり冬眠から目覚めてその穴からひさしぶりに這い出た。すると地上ではとんでもないことになっていた!人間どもが毎日放射能量を量っている。大震災が起こり、そのために原発も大きなダメージを受けて放射能が広範囲に広がっている。蛇にとっても暖かくなれば地上での生活が始まる。人間のみならず生きとし生けるものすべてが今後の生活をどうしたらいいのか。大震災は大地が、舗装などにより息ができなくなって、その悲鳴を上げたために起きたのだ、という声も聞かれた。天地創造により神が創られたこの地球を、人間どもが自分たちの都合のよいように作り変えてしまった。大震災は地球の悲鳴だった。