インド旅行報告1「司祭叙階式」Ordination

 この度、インドのイエズス会の司祭叙階式が最南端の州、タミルナドゥ州(Tamilnadu)のティルチラパリ(Tiruchirapally)、通称トリッチィ(Trichy)で行なわれました。各管区から総勢10名が一同に会し、神の祝福を受けて10名の新司祭が誕生しました。
場所:イエズス会の中心地である聖ヨゼフ・コレッジ(St.Joseph's College)内の聖堂
司式:クンバコナム(Kumbakonam)(タミルナドゥ州の東部の町)のAntonisamy司教様
受階者:イエズス会士10名(内ダージリン管区から3名。その一人が私が支援していたザビエル・アランガ     ラム助祭

St. Joseph's College 聖ヨゼフ・コレッジ(大学)。創立は1844年。

この聖堂で叙階式は行なわれました。

受階者10名と司祭団約50名の入堂。参列者は数え切れないほど、堂内ぎっしりでした。インドの聖堂には椅子はなく、皆床に座ります。

受階者の名前が一人一人呼ばれます。手前の右端がザビエル助祭

床にひれ伏す姿が最も感動的ですね。

受階者が司祭団から按手を受けていきます。司祭団が多いと嬉しい反面、大変なこともあります。ザビエル助祭は背中に痛みを持っての受階式だったので、この時が最も辛かったとのこと。私もそれを知っていましたので、耐えられる様に必死に祈っておりました。

聖堂内一杯の参列者。

全員が司祭服を着用したところです。神父様の誕生です。

いよいよ司祭団に加わり、ともに司祭としてミサを続けていきます。
 カトリックのいいところは国が違っても「形」が同じだというところです。この叙階式はタミル語でなされましたが、言葉は全く分からなくても、何が行なわれているかが分かるからです。
 自分自身を神様に奉献し牧者として人々の救いのためにキリストのみ旨に従って生きていくことを約束する叙階式というのは、何度与っても深く感動します。
 【日本の叙階式と異なる点】
1.開始時間が夕方5時半からで、実に終了は8時半でした。つまり3時間をかけて行なわれました。何故、夕方からなのか聞きそびれてしまいましたが、日中は暑すぎるからでしょうか?
2.残念ながら写真ではお伝えできないのですが、インドでこのように長いのは、音楽を豊かに用いるためです。答唱詩編アレルヤ唱など、すべての歌をたっぷりと聞かせてくれます。もちろん、タミルの音楽です。ミサ曲もインドのメロディです。半音階でなめらかに音が移動していくインド特有のあの歌い方です。奉挙の時には女性たちによる舞も捧げられます。伴奏楽器は、エレクトーン、太鼓、横笛などによって、聖堂内に響きわたる音楽を演奏し続け、聖歌隊もまた張りのある声で歌いこみます。音楽はこのように用いるものだと認識を改めさせられました。音楽に包まれて、その中で式が行なわれていく、という感じでした。
3.日本では叙階式の後、祝賀会が行なわれますが、インドではそれはありません。参列者が多すぎますし、3時間のお式の後では皆疲れきってもいるためでしょう。夜も更けて、遠くから参列している方もいらっしゃいますし...。