信徒の宣教(1)―俳句

 信徒副会長さん(女性)が「俳句」をたしなんでおられます。町の俳句の会の会員とのことです。その会で詠んだ句を恥ずかしそうに教えて下さいました。
              聖木曜洗足式の星うるむ
 私は浅学にして知らなかったのですが、キリスト教用語が「季語」としてあるのだそうですね。これには驚き、そして、感激しました。日本文化の俳句の世界でキリスト教が認知されているというのは何と嬉しいことでしょうか。
 さて、上記の句の意味ですが、「聖木曜日の夜に行われた洗足式、イエズス様のご降誕を知らせたあの星が、今こうして十字架に向かわれるイエズス様を今も照らしておられる。その星と共に私の心もイエズス様の深い愛に言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちでうるんでいる。」というほどの意味を込めてお作りになったのことです。その句会の会員の方々は信者ではありませんので、当然、副会長さんは「聖木曜日」と「洗足式」が何であるかを説明される訳です。そうしてさりげなくキリスト教の信仰を宣教しておられるのです。
 ついでにもう一句ご紹介しましょう。
              神様の約束と児が春の虹 
 虹が出たある日のことでした。その虹を見て幼稚園児が「神様の約束!」と叫んだのだそうです。その子は信者ではありません。しかし、誰かに教えられたのでしょうか、虹は神様と人間との約束のしるしだと。素直に虹に神様を見て取る園児の心に副会長さんは胸打たれてこの句を詠んだとのことでした。人間の業を超えたしるしが神様の業であることを、幼い子どもは知っているのですね。